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接客は利休に学べ

宮本法子
接客業としての経験の方が長いですが、利休という名と接客がイコールになるイメージ湧きませんでした。“人間心がしっかりでき上れば、自然にマナーも所作も美しくなる”との後書きに、自分に足りない物全てを埋めていく作業のように読み進めた図書でした。 “接客マニュアルを捨てる”これは図書の意図とは正反対に衝撃でした。経験上の接客でそれがあったことはないからです。と同時に物を知らなすぎるとも感じました。何かを捨てることは現代の断捨離にも通じ、余計なものを持たない(余計な接客をしない)、必要なものだけ持つ(大切な接客を)、そして今必要なものを明確にする(接客は心)こと。現在の仕事の目標にも通じる面があり、深く考察することができました。 郷に入ったら郷に従う、会社に入ったら会社のルールに従う。その業種に入ったらその業種に適した自分に変化する。どこに所属したいのかを決断したのは自分自身です。人の心を動かすのは決断するという力強さ。その力強さを忘れずに何故この仕事に就きたいと思ったのか。そう問われた時に即座に答えられる自分で在り続けたいと思いました。 今回の図書は中国哲学が基本になっているようで、プライベートではなかなか手にすることの少ない図書です。しかし新たな図書と出会いは、また自身を成長させてくれます。これをきっかけに図書の幅を広げていこうと思います。毎回大切な図書とそれを提供して下さる社長には感謝します。ありがとうござました。

村松千晴
千利休が現在にタイムスリップしてコンサルとして大活躍という内容でしたが、
ストーリーも面白く、内容も想像しやすくあっという間に読み進めることができました。
利休七則をもとに、店舗だけでなく働いている従業員や役員まで心動かされるというストーリーに
私自身も考えさせられるところが多々あり…
特に当たり前のこと一人ひとりに心を込めて、いつも本心で向き合うことがどれだけ難しいか。
いらっしゃいませ。と水を出す。その所作のひとつにどんな思いがあるか、宗匠のおもてなし精神に脱帽です。
私も日本人としてのおもてなしの心をもっと大切にします。

矢古宇隆之

 

印象に残ったのが、「もてなしには種明かしがある」の部分です。
利休の「誠実な気持ちに誠実にお応えした」の下りでは感心しました。
「誠実さが自分には足りているのだろうか?」過去と現在を振り返りました。
成功したときは誠実さが勝っており、失敗した時は不誠実さが勝っていたと思いました。
後は、真のお詫びとは「反省と感謝から成り立つ」の下りです。
水とおしぼりの部分で、お客様の気持ちになって。お客様の都合を考えて提供するという部分に感銘を受けました。自分であったら、最初はそういった考えで行動できます。しかし仕事に慣れてしまうとそうなのであろうか?慣れてしまっておろそかになってしまうのではないのかと思いました。常にお客様の事を考えられるように、新鮮な気持ちで挑まなければと思いました。全般的にも何か所かふれられていますが「怒りの正体」とはの部分に考えさせられました。自分では傾聴が多少不足している部分があると思うので、「怒りの正体」が何なのかわからない時があります。傾聴だけではなく、推理する力も必要かなとは思います。本書とは違うのですが、好きな言葉に「彼を知り己を知らば百戦危うからず」がありますが、通じるところがあると思いました。